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※このページの情報は以前のものですが、重要な部分を含んでいますので残しています。
トピックス
・建設業許可要件に「社会保険加入」が加わります。
これにより社会保険に加入していない事業所は許可申請が受理されません。
・発注者(建設工事の発注会社)への法定福利費の計算方法のご提案
・社会保険未加入企業に対する加入促進が平成28年7月より強化されることとなりました。
・社会保険未加入建設業者に対するペナルティーの概要が見えてきました。国土交通省近畿地方整備局は平成28年3月8日厚生年金保険、健康保険に未加入の一次下請けを使ったとして、元請業者を1か月間の指名停止とし、請負金額の10%の制裁金を徴収しました。
法定福利費とは「労災保険料、雇用保険料、(いか「労働保険」といいます。)健康保険料、厚生年金保険料(いか「社会保険」といいます。)の事業主負担分」を言います。
国交省の発表によりますと、契約書等には工事費とは別枠で表示し、見積もり及び決済をしなければいけないこととなっております。
現状を見てみますと徹底の度合いが元請によってかなり温度差があります。未だに総枠発注で法定福利費を見積書にも契約書にも表示していないものが見受けられます。
仮に事業主負担分が100%決済されても従業員負担分については、従業員の同意を得て、給与規程、就業規則の改定が必要となります。
それをしないで、現状のまま特に社会保険に加入することは自殺行為です。
ですから、早急に従業員の同意を得て、給与規程等を改定して社会保険に加入するか、建設業を廃業するかの2者択一が求められています。
2 役員等の労災保険への特別加入
特別加入とは、本来労災保険の適用がない社長、会社役員等が労災保険の適用を受けることができる制度です。この詳細につきましてはこちらをご覧ください。
特別加入していない社長、役員等は工事現場への入場を拒否されます。
3 36協定の締結
36協定とは法定労働時間を超えて従業員に残業させることを従業員の過半数代表者と協定し、労働基準監督署に届け出るものです。
労働基準法では、法定労働時間(1日8時間、1週間40時間)を超えて従業員に仕事をさせることは禁止しております。
36協定はその法規制に免責を与え、法違反でなくすものです。
法定福利費は、事業主負担分のみを見積りするのか、従業員負担分まで含めるのか議論が分かれていましたが、今現在では、事業主負担分のみを法定福利費として見積価格に組み入れる方式に固まってきています。
その経過につきましては、次の「加入促進の強化」の中でご覧ください。
平成28年9月27日に国土交通省主催の社会保険加入のための個別相談会で相談に応じました。さいたま市新都心の合同庁舎で行われたものです。
当日は34社の相談に対し、14名の社会保険労務士が相談に応じました。
私が担当したのは2社、発注者(建設工事を発注する企業)1社と下階層の下請け会社1社です。
社会保険未加入の職人が工事現場から排除される平成29年4月に向けて、発注企業も本格的に対応し始めたということでしょう。
発注企業が従来の予算額に上乗せしなければならない法定福利費は発注額の約6%程度と考えられます。
ここでいう法定福利費とは建設工事を請け負う会社が負担する、その工事施工するための人件費に関わる健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料です。これは会社負担分と従業員負担分両方となります。
各建設業の業界団体が勧めている「標準見積書」では、従来の建設工事の契約金額と別枠で「法定福利費」を見積もるようになっています。
これからは、法定福利費の算定を発注者も請負者(元請はもちろん各階層の下請け業者)も適正に行う必要がある、と改めて感ずるとともに、発注者が法定福利費の予算建てをすれば社会保険の未加入対策が大きく前進すると確信した1日でした。
・発注者(建設工事の発注会社)への法定福利費の算出方法のご提案
平成29年4月に向けて発注者の対応が始まりました。実はこの対応が始まらないと未加入企業をなくすという国土交通省の思いは完結しないと思っておりました。なので、非常に喜ばしいことです。
相談会で感じたことは、法定福利費の計算方法を模索中であるということでした。いくつか考えられますが、その工事にかかる人工数を割り出し、平均賃金を算出しというような積み上げによる方法とか私の提案する労務比率を使った方法とかです。
私のご提案は次の計算式によります。
法定福利費=建設工事の発注額×労務比率×社会保険料率
です。
この計算式は、労働保険年度更新申告の現場労災保険料を算出するときの計算式です。ですから、ある意味公的に使われている計算式です。
また、ここでの建設工事の発注額は税抜きです。法定福利費は人件費で、社会保険料に消費税は掛からないからです。
法定福利費の内訳ですが、各団体の標準見積書を見ますと、事業主負担分のみを見積書に入れるものと、内訳の記載のないものといろいろあります。
国土交通省の広報内容では、事業主負担分および従業員負担分両方見積書に入れるよう記載してあります。
この件は、いまだ模索中というのが実情です。
27年度中は、2次下請(孫請け)までチェック対象となっていましたが、28年度は3次下請(曾孫請け)以下にまでチェック範囲が広がります。
どのようなことが起きるかと言いますと、これは将来的なことなので非確実な要素もありますが、上記のペナルティーが課せられますと元請が下請け業者に社会保険の加入をチェックさせ、その下請けが未加入の場合使わないように指導することが考えられます。一次下請けは、2次下請を、2次下請は3次下請以下同じようにその下請けをチェックするようになります。その結果社会保険未加入業者に対しては発注しませんので、気が付いたら仕事が全く来なくなってしまったということもあり得ると考えます。
公共工事の発注が始まる7月頃には、動きがあるようと予測しておりましたが、最新情報では平成28年7月から加入促進が強化されます。それでなくとも29年度には、工事現場には、社会保険に入っていない者(会社でないことに注意!!)は入場禁止となるのですから今から準備が必要です。
社会保険はただ入れば済む問題ではありません。会社は最大、給与総額の約15%の社会保険料が新たに費用として発生します。今の給与規定のまま社会保険に加入したならば会社は立ち行かなくなります。従って準備が必要となります。
・建設業界にとって、社会保険への加入問題は、大きなテーマです。
建設業を続けるか、社会保険に加入するかの2者択一です。
最終的にその選択を迫られるのが、平成29年になってからです。なぜなら、平成29年度(平成29年4月)からは、社会保険未加入者は、建設現場から排除される、言い換えれば、工事現場に入れなくなるからです。
ただし、注意する必要があるのは、単に社会保険に加入するだけではだめです。
多くの社長様がここを悩んでおられると思います。社会保険に加入して、会社が潰れたら元も子もないからです。
もう一つの問題は、見積もりに社会保険料を中々上乗せできないことです。
制度としては上乗せすることができるようになっていますが、総額発注となるため、結果として上乗せができないことになってしまいます。私の顧問先では協力会社も含めてこの問題に取り組んでおります。どのような取り組みかといいますと、仕事の質を上げることです。職人を教育し、たとえば現場内での喫煙は絶対させないとかの現場内のルールを守らせることから始めております。そのような教育をする時に社会保険への加入は有用と考えます。
質を高め、優位性をもち、単価を上げることを目指すのも一つの方法です。
見積もりに社会保険料を組み込むことは、建設業界全体の問題でもあります。
まずは会社としてできることから始めなければなりません。社会保険に加入するのには、社内改革が必要となります。どこかをスリム化し、社会保険料をひねり出す必要もあります。スリム化できる部分は、その会社によって違いがありますが、人件費の削減、抑制が、最も効果が大きいと思いますが、一方で、一番難しい部分でもあります。
専門的に言いますと「不利益変更」となりますので、従業員の方に納得していただく必要があります。説明会が必要な場合もあります。当事務所は、説明会の開催も経験豊富です。
人件費の削減、抑制を決断されたら、社会保険労務士にご相談ください。